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2009年4月

2009年4月30日 (木)

『彼が二度愛したS』『わが教え子、ヒトラー』

彼が二度愛したS / Deception   ★★★☆☆

監督:マーセル・ランゲネッガー

出演:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、ミッシェル・ウィリアムズ、リサ・ゲイ・ハミルトン、シャーロット・ランプリング、マギー・Q、ナターシャ・ヘンストリッジ

生真面目な会計士が、仕事先の弁護士事務所である男と知り合い、それをきっかけに入った会員制クラブにのめり込む...ってなクライム・サスペンス。孤独な男の心を弄ぶ甘い誘惑の罠...その代償は...?!

いい人キャラの多いヒュー・ジャックマンの悪人振りが注目されてた作品やけど、凄みがあって、悪くはなかったね。見知らぬ男女が名前や職業を伏せて、欲望を満たすための秘密クラブってくだりは、いかにも淫靡な雰囲気で、なかなかやった。ただ、後半になると展開が読めてしまい、しかも話の詰めの甘さが気になり、いろいろとツッコミを入れたくなるのがちょっとね(苦笑)

全体としては...もう一息やったかなぁ?! 

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わが教え子、ヒトラー / Mein Fuhrer - Die Wirklich Wahrste Wahrheit Uber Adolf Hitler ★★★☆☆

監督:ダニー・レヴィ

出演:ウルリッヒ・ミューエ、ヘルゲ・シュナイダー、シルヴェスター・グロート、アドリアーナ・アルタラス

敗戦濃厚となったドイツは、ヒトラーの新年の演説で国民を鼓舞しようと企むが、肝心のヒトラーが気力を失っていたため、ユダヤ人の有名俳優に演説の指南役を依頼することに...ってなコメディ?!

あのヒトラーの先生がユダヤ人やったっていう設定もさることながら、この作品で描かれるヒトラーの“ダメっぷり”がおかしい。これほどまでに威厳の欠片もなく、人間臭いヒトラーって、今までにあまりなかったんと違うかなぁ。

そちらばかりが気になって、家族を守ろうとする父親の苦悩といった主人公の内面の部分の描写が、中途半端な笑いに消えてもうたのが、残念やったね。  

2009年4月29日 (水)

『ウォーリー』

ウォーリー/Wall・E   ★★★☆☆

監督:アンドリュー・スタントン

出演:(声)ベン・バート、エリッサ・ナイト、ジェフ・ガーリン、シガニー・ウィーヴァー

アニメ映画やし、公開当時あまりにも評判がよすぎて、ひねくれ者としては、気が進まず劇場では観なかったんやけど、奨められたので早速レンタルしてみたでぇ。

人が住めなくなった地球で、ひとり働くお掃除ロボットのウォーリーが、ある指令を受けて地球にやって来た別のロボットに恋をするのだが...ってな、ピクサー・アニメの最新作。

ただの子供向けの娯楽映画と思ったら、恋の話にエコロジーが絡んで(?)、思ったより深みのある内容やったね。ほとんどセリフらしいセリフはないにもかかわらず、主役のロボットの人間味のあること!キャラの描写がうまいんよなぁ。細かい仕草に愛嬌があるし、またその純粋な気持ちに思わず共感してまうよね。手を触れることに“ときめく”やなんて...自分もそんなウブな時代もあったんかなぁ...なんて(笑)

ピクサーの映画だけに、映像はキレイやし、家族で楽しむにはもってこい?!でも、野郎ひとりやと...やっぱりちょっと虚しい...(苦笑) なかなかやったね!

2009年4月28日 (火)

『十二人の怒れる男』

「一番好きな作品って何?」そんな質問をたまにされるんやけど、数あるお気に入りの中から、たったひとつを選ぶのって、なかなか簡単やないよね。でも、その答えを考えるときに、必ず浮かぶ作品ってのがある。それがシドニー・ルメット監督の『十二人の怒れる男(12 Angry Men)』

初めてこの作品を観たのは、十数年前、まだ学生の頃やった。1957年の作品で、白黒映画、当時は映画はまだ初心者やったから、正直あまりクラシックな作品に興味はなかったんやけど、そんな考えを吹き飛ばすほどの衝撃を受けたのを覚えてる。

登場人物は12人の陪審員。舞台は評決を下す陪審員室とその隣接するトイレ。父親殺しの罪で殺人罪で起訴された、スラム育ちの18歳の少年の罪を裁くことに。誰もが有罪を確信していた、簡単なケースのはずが、そのうちの一人の男が無罪を主張したことで、熱い議論が始まる、ってな話。

この作品の何がすごいって、セットに金をかけるわけでもなく、いかにもな低予算な作品でありながら、12人の役者の演技によって、何か化学反応が起こったように、たまらない緊迫感と興奮がもたらされてるとこなんやなぁ。異なる背景をもつそれぞれのキャラが、激しくぶつかりながら、それぞれの個性を主張し合うってね。シンプルさのなかに生まれる深み、味わい、まさにドラマの醍醐味ってのがここにあるんよな。作品の価値は、いくら金をかけたかではなく、いかに優れた脚本で、いかに優れた役者を集めて作るかで決まる、そんなことを痛烈に感じさせてくれる作品やね!

来月からは、この国でも裁判員制度が始まるけど、この作品の登場人物のように、偏見や思い込みを排除し、公平な裁判が運営できるのか、しっかり考えなアカンのやろなぁ。裁判員の予習のためにも、この作品はおススメかもね!(笑)

十二人の怒れる男/12 Angry Men   ★★★★★

監督:シドニー・ルメット

出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、E・G・マーシャル、ジャック・ウォーデン

2009年4月27日 (月)

『トワイライト~初恋~』

トワイライト~初恋~/Twilight   ★★★☆☆

監督:キャサリン・ハードウィック

出演:クリスティン・スチュワート、ロバート・パティンソント、ビリー・バーク、ピーター・ファシネリ

母親の再婚を機に、父親と同居することになった女子高生。転入した学校にいた、美青年に心を奪われるのだが、実は彼は吸血鬼だった。互いに惹かれあうふたりだったのだが...ってなラブ・ストーリー?!

う~ん、ちょい微妙(苦笑)血を吸う吸血鬼と人間の恋、確かにおもしろい設定なんやけどね。好きな相手に触れたくても、傷つけそうで、近づけない...なんて、切ない恋の話やないですか!

ただ、どう見ても不自然な白塗りの男に恋するあたりが、どうなんやろなぁ(笑)主演の女の子も、微妙なかわいさやし...。いい吸血鬼と悪い吸血鬼のバトルや、どう考えても無意味な草野球シーンやら、なんかチープな恋愛話に落ち着いてもうた感じ。所詮は、子供向けの、甘ったるい恋愛ごっこかってね?!

木に登るシーンの安っぽさは、はんぱやなかったね(笑)あと、お決りの狼族との確執があったり、まぁ、ベースが典型的な吸血鬼映画ってとこも、ありきたりかなぁ。

明らかに続編を意識するあたりがなぁ...ますます微妙...(苦笑)

白塗りの美男子(?)が好みなら、十分楽しめるんかもね...残念ながら、そちらの趣味はなかったもので...!?

2009年4月26日 (日)

『寝取られ男のラブ・バカンス』『まなざしの長さをはかって』『グーグーだって猫である』

週末にレンタルした作品の感想を3つほど!

寝取られ男のラブ・バカンス/Forgetting Sarah Marshall   ★★★☆☆

監督:ニコラス・ストーラー

出演:ジェイソン・シーゲル、クリステン・ベル、ミラ・クニス、ラッセル・ブランド

売れっ子女優の彼女に振られ、ボロボロになった心を癒すためにひとりハワイに来たら、そこには男連れの彼女が...ってな、ラブ・コメディ?!

振られた相手への未練と、新たに芽生えた恋心、あぁ揺れる男心...てか(苦笑)邦題から、おバカなコメディを想像してたら、意外とシリアスな場面もあったりして、逆に無駄に下品な笑いに走るあたりが邪魔して、間延びしてもうてた感じやね。

ヒロイン役のミラ嬢はロシア人らしいんやけど、見事なまでに日焼け(?)した健康的なハワイアンの美を振りまいてたのがナイスやったね!(笑)

それにしても...なかなか“ご立派”やった...ってナニが??(苦笑)

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まなざしの長さをはかって/La Giusta Distanza   ★★★☆☆   

監督:カルロ・マッツァクラティ

出演:ジョヴァンニ・カポヴィッラ、ヴァレンティーナ・ロドヴィーニ、アメッド・ヘフィアン、ジュゼッペ・バッティストン

新聞記者志望の若者は、越してきた美人の小学校の臨時教員のPCの設定を手伝ったことで、彼女のメールを盗み見ることになり、彼女と父親の工場で働くアラブ人との恋を知るのだが...ってな、劇場未公開のイタリア映画。

いなか町を舞台にした人間模様と、堅物な移民の男と美人教師の淡い恋の話、そしてやがて訪れる悲劇、そんないろんな要素で構成されたドラマは、淡々とした流れながら、意外性があって、結構楽しめたね。

イタリア映画というと、能天気なイメージやけど、この切なさと哀愁の残る感じも悪くなかったかな?!

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グーグーだって猫である   ★★☆☆☆

監督:犬童一心

出演:小泉今日子、上野樹里、加瀬 亮、森三中、高部あい、マーティン・フリードマン、楳図かずお

嫌いな監督なのは分かっていながら、加瀬くんの演技を見たくて手にしてみたら、案の定、苦痛な2時間やった(苦笑)

売れっ子漫画とネコの関係を、その周囲の人々の人間模様を交えて描くってとこなんやろうけど、出だしから芸のない芸人が出しゃばるところで、イライラして発狂してもうたよ。加えて、まったくセンスの欠片も感じさせない、相変わらずグタグタな展開と笑えないギャグ、吉祥寺の観光案内に...どないしたいねんって!

上野樹里ってのも、いつも同じような演技で、数をこなしてる割に、まったく成長を感じないのは...これも監督のせい??楳図かずおも、演技できないんやったら断ればエエのに...。

この映画、猫好きのひとなら許せるんやろか...かなり微妙!?

2009年4月25日 (土)

『グラン・トリノ』『バーン・アフター・リーディング』『ピンクパンサー2』

週末公開の作品と公開中の作品の感想を3つほど!

グラン・トリノ/Gran Torino    ★★★★☆

監督:クリント・イーストウッド

出演:クリント・イーストウッド、ビー・ヴァン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリー、ブライアン・ヘイリー

妻に先立たれ、ひとり寂しく暮らす老人の楽しみは、愛車グラン・トリノだった。そんな大事な車を隣に住むアジア系移民の息子が盗もうとするのだが...ってな、イーストウッド監督渾身の人間ドラマ?!

息子や孫とも疎遠な、頑固で人種差別主義の男が、気弱な青年やその姉と触れ合うことで、次第に心を開く様を描くってね。心に傷を抱えながら、晩年を孤独に生きる老人を、イーストウッド本人が渋く演じてるんやね。信念を貫くあたりは、ダーティー・ハリーがそのまま歳を重ねたみたいやった(笑)

少し中だるみする感はあるんやけど、人生の終わりが見えたときに、過去に対する贖罪と、そして自分が将来のために何を残し、何を守るのか...そんなドラマの終幕は、大きな優しさに包まれていて、なんや自然と熱い滴が頬を伝うんよなぁ!?これで俳優業は最後とは、ちょっと寂しいね。お見事でした!

バーン・アフター・リーディング/Burn After Reading   ★★★☆☆   

監督:イーサン&ジョエル・コーエン

出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジョン・マルコヴィッチ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、リチャード・ジェンキンス

アル中を理由にクビになったCIAの分析官、そんなダンナに愛想をつかした妻は現在不倫中、でもってその不倫相手も妻に内緒でヤリたい放題、そこに能天気なフィットネスジムのインストラクターと全身整形の費用の捻出に悩む同僚が絡み...ってな、コーエン兄弟の最新作!

豪華な顔ぶれの役者陣が、風変わりな役どころで大暴れ?!どうでもいいような話をそれなりに盛り上げるあたりは、さすがコーエン兄弟やね(笑)勘違いや思い込みにより、それぞれの思惑の中でキャラが絡み合い、暴走する、そんな捻りの効いたシュールさがなかなかやった。まぁ、ちょっと大衆受けはせんのやろうけど(苦笑)

相変わらずのクルーニーの尻軽なダンディズムや、マクドーマンドの壊れた演技もさることながら、無邪気な愛嬌を振りまくブラピの弾けっぷりが良かったかな。“ハゲ目線”で観ると、マルコヴィッチのへタレ具合も気になるんやけど、ジェンキンスおじさんの哀愁を帯びた頭皮がたまらんかったね(笑)

コーエン兄弟ならではの“らしい”作品、そんなとこやろか?!

ピンクパンサー2/The Pink Panther 2   ★★★★☆

監督:ハラルド・ズワルト

出演:スティーヴ・マーティン、ジャン・レノ、アルフレッド・モリナ、アンディ・ガルシア、エミリー・モーティマー、ジョン・クリース、アイシャワリヤー・ラーイ・バッチャン、ジェレミー・アイアンズ

フランスきってのおバカな敏腕(?)警官、クルーゾー警部が活躍する、ドタバタ犯罪コメディのリメイク・シリーズ第2弾!今回の事件は、10年ぶりに活動を再開した謎の泥棒“トルネード”を追いかけ、各国の警察の精鋭を集めドリーム・チームを結成して捜査する...ってね。

出だしから、これでもかってくらいにアホな笑いが満載やった(苦笑)1作目ではスティーブ・マーティンのわざとらしいフレンチ訛りのしゃべり方と、必死な“空回り感”に違和感ありまくりやったのに、さすがに慣れたのか、予想以上に楽しめたかな。これを“名作”とはとても恥ずかしくて言えんけど、コメディが腹を抱えて笑うものとすれば、十分な内容やった。

まぁ、笑いのレベルも、子供の悪ふざけの延長のようなものなんやけど、それを大袈裟にして、観客を楽しませるあたりが、“マーティン劇場”なんやろね!とりあえず、頭をカラにして...ね!?

2009年4月24日 (金)

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』

週末を前に、もう一丁おススメを!

ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢/Every Little Step -A Journey Of A Phenomenon. A Chorus Line-  ★★★★☆

監督:ジェイムズ・D・スターン

出演:マイケル・ベネット、ドナ・マケクニー

70年代半ばに初演され、大ヒットしたミュージカル『コーラスライン』を久々に再演することになり、行われたオーディション、3,000人の中から選ばれる出演者の選考の模様を描いたドキュメンタリー。

伝説的な舞台が生まれた秘話とともに、熱い気持ちをぶつけて、必死に役を得ようと頑張るダンサーたちの様子が、生々しく描かれてた。真剣な気持ち、このミュージカルへの思いが伝わるだけに、観る側も次第に引き込まれていってまうってね。その瞬間に全てを出しつくし、そして死に物狂いで成功への階段を這い上がろうとする、それが何の偽りもない、真実の感情だけに、そのエネルギーはすごいものがあった。一本のテープから始まったプロジェクト、それがダンサーたちの心の叫びだったからこそ、これほどまでに感動を呼ぶんやろなぁ。

自分を信じて突っ走る、無駄に生きてる場合やないなぁ...なんて、脂肪の乗った腹をさすりながら、空を見上げて物思いに耽る...!?(苦笑)

2009年4月23日 (木)

『僕らのミライへ逆回転』『ジョージアの日記』

今日は、最近レンタル開始になった作品のなかから、おススメを2つ!

僕らのミライへ逆回転 / Be Kind Rewind   ★★★★☆

監督:ミシェル・ゴンドリー

出演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グロヴァー、ミア・ファロー、シガニー・ウィーバー

店長の留守の間、ビデオ店をまかされたものの、電磁波を浴びた友人のおかげで、商品がすべてダメに...何とかしようと、ふたりは作品のリメイクを手持ちカメラで作ることになるのだが...ってな、ほんわかコメディ!?

う~ん、とっても素敵な作品やったね!なんやとっても心が温かくなるんよね。とことんチープなリメイクなのに、意外なほど評判になり、調子に乗って自作映画を撮りまくり、稼いだ金で立ち退きを迫られてる店を守ろうと必死に頑張るってな設定は、内心“ありえんなぁ”なんて思ってたんやけど、最後まで観ると、映画を愛する気持ち、それを観るひとたちの素直な眼差しに、こちらも思わず微笑んでまうんやね。

主演のふたり、脇を固める役者、そしてその他大勢のキャストまで、見事にピースがピタリとはまってた。気づいたら作品全体のハーモニーが心に届き、優しく包んでくれる、そんな感じにさせられてもうた。もう、たまらんです!?(笑)

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ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日/Angus, Thongs And Perfect Snogging  ★★★★☆

監督:グリンダ・チャーダ

出演:ジョージア・グルーム、アラン・デイビス

コンプレックスのかたまりの女の子、ある日ロンドンからやって来たイケメン転校生にひと目ぼれし、なんとか付き合おうと、親友と一緒にあの手この手と頑張るのだが...ってな、青春恋愛ドラマ!?

必死に気をひこうとするも、空回りばかり。親友は彼の双子の兄弟とうまくいき、焦りばかりが募って、そこに親の離婚問題が持ち上がり...?!なんや主人公の必死加減がいじらしいんよね!うまくユーモアで笑わせながら、10代前半の恋に目覚める年頃の初々しい感じが出てる。そんでもって、親子の絆や友情なんかもあったりで、意外に話が深かったりして。この監督さん、『ベッカムに恋して(Bend it like Beckham)』を撮ったひとで、前作同様に、軽さのなかに“うま~く”ホロッとくるポイントを仕込むんよね。

メタボなオイラは、ちょっとポッチャリした主人公に親近感をおぼえて、思わず“頑張れ”ってね(笑)それにしても、このB級感の漂う、微妙な邦題はなんとかならんかったんかなぁ?!だいたい日記なんてエピソードは、まったく出てこないんやけどね...?!(苦笑)

2009年4月22日 (水)

ダニー・ボイルを考える

今年のアカデミー賞で見事主要8部門を受賞し、一躍“巨匠”の仲間入り?鳴り物入りでハリウッドに乗り込み、返り討ちにあった挙句に、最近では「ダニー・ボイルって...ゾンビ映画の監督やろ?!」なんて言われ...(苦笑)初期の頃からお気に入りの監督やっただけに、苦節...?年、ほんまに受賞おめでとうって、拍手を送りたくなる。

この監督さんの作品と出会ったのは、ちょうどイギリスに留学してた頃やった。映画監督としてのデビュー作品『シャロウ・グレイブ(Shallow Grave)』を、たまたま現地の映画館で観たんやね。ルーム・シェアをする3人の男女が、ひょんなことから大金を手にし、互いに疑心暗鬼になっていくってなサスペンス・スリラーやったんやけど、つたない英語力の理解でも、その捻くれたストーリーに才能を感じたんよなぁ。この映画で主演したユアン・マクレガーは、監督の次作『トレインスポッティング(Trainspotting)』で監督ともども、更にメジャーへと突き進むんやね。

このトレインスポッティングは、麻薬中毒の若者を描いた作品なんやけど、その独特な映像センスで強烈なインパクトを残し、ダニー・ボイルって名前を決定的に広めたんよね。ユアン・マクレガーもさることながら、共演してたロバート・カーライルの弾けっぷりが凄かった!この映画のサントラで使われたアンダーワールドの"Born Slippy"も売れたしね。

この成功を手にイギリスからハリウッドに進出したものの、キャメロン・ディアスとユアン・マクレガー主演の『普通じゃない(A Life Less Ordinary)』とディカプリオ主演の『ザ・ビーチ(The Beach)』は、あまりパッとせんかった。特に後者は、ジョーズにランボーが混ざったような映画(苦笑)で、ボロクソやったね。まぁ、主演がプリオくんじゃ...しゃぁないって、と個人的には納得したんやけど。

失意(?)のまま帰国して、2本ほど監督した後に、満を持して世に放ったのが『28日後...(28Days later ...)』、そう、かのゾンビ映画やったんよね。いやぁ~衝撃やった!(笑)謎のウィルスが蔓延したロンドンを舞台に、迫り来る恐怖と戦う人間の姿を描くってね。無人のロンドンでひとり佇む主人公の姿が、ごっつい印象的やった。単なる恐怖映画で終わるのではなく、人間の本質を問うような、話の深みを出すところが心憎い!

ホラーの次は、子供を主人公にしたファンタジー・コメディの『ミリオンズ(Millions)』。麻薬中毒やゾンビものばかりで、子供に胸をはって見せる作品がないと、監督が子供のためにと作った作品らしく、内容もとっても“ほのぼの”やし、抜群のユーモアセンスが出てて、優しさの詰まったおススメの作品なんよね。

そんでもって、ファンタジーの次が宇宙へ...ってことで、真田広之も出てた『サンシャイン2057(Sunshine)』。太陽を再生する任務に就いた男女8人の運命は...人類を救うために宇宙へ、ってな“ありがち”な展開のせいか、あまり評判にはならんかったけど、随所に監督の映像センスが出てて、それほど悪くはなかったけどね。『ラスト・サムライ』の後だっただけに、真田くんは宇宙でも死に際は“侍”やった...ってね(笑)

こうしてたどり着いた『スラムドッグ$ミリオネア』、“ボリウッド”に進出したダニー・ボイルの向かう先が、益々楽しみやね。話の展開のうまさ、インパクトのある映像、センスのいい音楽、そして独特のユーモアとひねり、早くも次が待ち遠しいってね!?

ダニー・ボイルと言えば『トレインスポッティング』になるんやろうけど、是非『ミリオンズ』と最初の『シャロウ・グレイブ』を試してみて欲しい。そして....勢いで『28日後...』、ついでに監督から製作総指揮になった続編『28週後...(28Weeks later)』へ!もうじき28ヵ月後が完成になるとか、ならないとか...?!(笑)

2009年4月21日 (火)

『フロスト×ニクソン』

現在公開中の映画のなかから、おススメをひとつ!

フロスト×ニクソン / Frost/Nixon    ★★★★☆

監督:ロン・ハワード

出演:フランク・ランジェロ、マイケル・シーン、ケビン・ベーコン

ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領に、最初に番組でインタビューしたイギリス人のテレビ司会者、その二人の対決を描く人間ドラマ。

番組を機に、不名誉な事件で失墜した地位を回復し、政界へのカムバックを企む元大統領と、番組を成功させ、アメリカでの司会者としての自分の人気を取り戻そうとする男の真剣勝負を描くってね。

おもしろい!一枚も二枚も上手の政治屋と、一介のTVホスト、本音を隠して全てを正当化しようとする側と、その分厚い面の皮の裏側の本音を引き出そうとする側、この攻防は見応え十分やったね。それに加え、彼らを支える周辺の人々や、番組を成功させようと奔走する主人公の苦労など、クライマックスへ向けて繰り広げられるドラマには、かなり深いものがある。実際のニクソンはリアルタイムでは知らんけど、ランジェラじいさんの存在感は、迫力十分ですごかったね!?

この緊迫感は、試す価値あり!?

2009年4月20日 (月)

『1408号室』『ツアー・オペレーター』『接吻』

今日は、週末にレンタルして観た作品の感想を3つほど!

1408号室 / 1408     ★★★☆☆

監督:ミカエル・ハフストローム

出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック

心霊スポットを訪れ、それを出版する作家は、NYにあるホテルの一室の噂を確かめるべく、乗り込むのだが...?!

誰として1時間と滞在することができないほどの、恐怖の部屋を舞台に繰り広げられる、あの手この手のホラーな手法...“ホラー素人”にはドキドキものやったね(苦笑)

スティーブン・キング原作の話は、主人公の抱える心の傷を描くなど、単なる恐怖映画では終わらないところがなかなかやったかな。確かにホテルの部屋ってのは、そこで過去に誰が泊まり、何があったか分からんだけに、考えようによっては、怖い場所やねぇ...?!それにしても...ジョン・キューザックは最近目に見えて“メタボ”ぎみやなぁ。そんなところに共感してみたりして(笑)

ツアー・オペレーター 知られざるツール・ド・フランス

/The Tour Operators   ★★★☆☆

監督:ジャン・クリストフ・ゼロ 

出演:デイヴィッド・ミラーとチーム「コフィディス」

自転車競技の最高峰ツール・ド・フランスの舞台裏の様子を、ひとつのチームに密着して描いたドキュメンタリー。

過酷な条件のなか繰り広げられる男たちのバトル、そこにはテレビには映らない、選手を支える人たちがいるんやね。チームとしての戦略を考え、自転車を修理し、そして選手を必死に鼓舞し、励ます。そんな裏方さんたちも含めて、レースを戦ってるんやなぁってのが分かる。また、レースに惹かれ、沿道で選手を応援するおじいちゃんの姿を見ると、人々の想いが伝わるやんね!なかなか興味深かったかな。ちょっとマニアックな内容やったけどね?!

接吻      ★★★☆☆   

監督:万田邦敏

出演:小池栄子、豊川悦司、仲村トオル、篠田三郎

いつも都合よく他人に使われ、割の合わない人生を送るひとりのOLが、ある日殺人事件のニュースを見て、犯人に共感を覚えたことで始まる、屈折した恋(?)の話。

自分の存在を無視し続ける世間への反発といった、異常に屈折した感情は、分からんでもないか。少しズレた役柄を熱演する小池くんは、まぁ頑張ってたかなぁ。

展開が読めるあたりが、深みの感じさせないところながら、話の設定は悪くなかった。今回の無口な役柄は、アラが出る余地が少ない分、豊川くんには合ってたかもね(苦笑)仲村くんは...相変わらずヘタやなぁ...芸歴は結構やのにね?!

ボチボチでんなぁ。

2009年4月19日 (日)

ブログ始め...『スラムドッグ$ミリオネア』『ミルク』

映画をこよなく愛して、はや十数年?!

レンタルで借りるものを含め、年間約300本ほどの作品を観ては、海辺でたそがれ、湘南の海風に薄くなった髪をなびかせながらつぶやいてきた“映画愛”を、今日からネットの片隅で“ひとりごつ”...ってな!?

というわけで、評価は☆の数で次の5段階。

  ★★★★★ ごっついエエ!

  ★★★★☆ これはエエ!

  ★★★☆☆ なかなか or ボチボチでんなぁ

  ★★☆☆☆ アカンでこれ

  ★☆☆☆☆ もうカンベン

好みはひとそれぞれ、ご参考あれ!?

では、さっそく今年のアカデミー賞を賑わせたこの2本から...

スラムドッグ$ミリオネア / Slumdog Millionaire  ★★★☆☆   

監督:ダニー・ボイル

出演:デーヴ・パテル、アニル・カプール、イルファン・カーン、マドゥル・ミタル

学校もロクに出ていない、スラム出身の青年が、難解なクイズに全問正解するが、不正を疑われて、尋問を受けることに...ってな、インドの貧民層の暮らしを背景に、必死に生きる若者の半生を描いた話。

本年度アカデミー賞の主要8部門受賞とくれば、そりゃ期待してまうよなぁ!(笑)しかも原作は、実に感動的やったし...って、ちょっと観る前からハードルが高かったかなぁ(苦笑)残念ながら、原作の要素を生かしてはいるんやけど、話としては別物になってもうてたね。

それでも、苦難を乗り越え、へこたれずに頑張るって本筋は同じやったし、現地の子供たちを起用し、リアルな雰囲気を作り出してたのはよかったかな。“ボリウッドらしさ”も出てたしね(笑)

いろいろ工夫されてて、楽しめる作品には仕上がってるんやけど、願わくば、もう少し原作に忠実な作りやったらなぁ...ちょっと残念!?

原作を知らなければ、多分楽しめるかも??

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ミルク / MILK  ★★★☆☆

監督:ガス・ヴァン・サント

出演:ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン、ジェームス・ブランコ、ディ エゴ・ルナ

まだ同性愛者であることをオープンにするのに抵抗のあった70年代後半に、ゲイとしてアメリカで初めて市の公職について、マイノリティの権利のために戦った、そんな実在したひとりの男の姿を描く自伝映画。

恋人とNYからサンフランシスコに移り、そこでゲイ・コミュニティを作り、わずか8年で政治の表舞台に出て、差別や偏見に対して正面から戦い、そして暗殺されたその生き様とは...ってね?!

まぁ、なんと言っても主人公を演じるショーンくんやろね。いつもながらの存在感と絶妙な“間”で、ハーヴェイ・ミルクという人物のカリスマを体現してた。何度も挫けそうになりながら、それでも平等の権利を手にするため、必死に前に進もうとする姿には、熱いものを感じる。どんな立場であれ、揺るぎない信念と弛まぬ努力が政治家には必要なんやなぁ。この国の政治家に、ツメの垢でも煎じて飲ませてやりたいってね!?(笑)

ショーン・ペンの演技をご堪能あれ! 

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