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2009年4月28日 (火)

『十二人の怒れる男』

「一番好きな作品って何?」そんな質問をたまにされるんやけど、数あるお気に入りの中から、たったひとつを選ぶのって、なかなか簡単やないよね。でも、その答えを考えるときに、必ず浮かぶ作品ってのがある。それがシドニー・ルメット監督の『十二人の怒れる男(12 Angry Men)』

初めてこの作品を観たのは、十数年前、まだ学生の頃やった。1957年の作品で、白黒映画、当時は映画はまだ初心者やったから、正直あまりクラシックな作品に興味はなかったんやけど、そんな考えを吹き飛ばすほどの衝撃を受けたのを覚えてる。

登場人物は12人の陪審員。舞台は評決を下す陪審員室とその隣接するトイレ。父親殺しの罪で殺人罪で起訴された、スラム育ちの18歳の少年の罪を裁くことに。誰もが有罪を確信していた、簡単なケースのはずが、そのうちの一人の男が無罪を主張したことで、熱い議論が始まる、ってな話。

この作品の何がすごいって、セットに金をかけるわけでもなく、いかにもな低予算な作品でありながら、12人の役者の演技によって、何か化学反応が起こったように、たまらない緊迫感と興奮がもたらされてるとこなんやなぁ。異なる背景をもつそれぞれのキャラが、激しくぶつかりながら、それぞれの個性を主張し合うってね。シンプルさのなかに生まれる深み、味わい、まさにドラマの醍醐味ってのがここにあるんよな。作品の価値は、いくら金をかけたかではなく、いかに優れた脚本で、いかに優れた役者を集めて作るかで決まる、そんなことを痛烈に感じさせてくれる作品やね!

来月からは、この国でも裁判員制度が始まるけど、この作品の登場人物のように、偏見や思い込みを排除し、公平な裁判が運営できるのか、しっかり考えなアカンのやろなぁ。裁判員の予習のためにも、この作品はおススメかもね!(笑)

十二人の怒れる男/12 Angry Men   ★★★★★

監督:シドニー・ルメット

出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、E・G・マーシャル、ジャック・ウォーデン

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