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2009年12月 5日 (土)

『戦場でワルツを』

今年の日本映画界の話題と言えば、『おくりびと』のアカデミー賞受賞なんやろうけど、そんな『おくりびと』と激しく賞レースを争ったのが、今日紹介する作品なんよね。

前哨レースのゴールデングローブ賞や全米映画批評家協会賞を独占し、むしろこちらが本命やったらしいんやけどねぇ。

そんな話題の作品の感想は....?!

戦場でワルツを / Walts With Bashir   ★★★★

監督:アリ・フォルマン

出演:(声)アリ・フォルマン、イェヘズケル・ラザロフ、オリ・シヴァン、ロニー・ダヤグ、シュミュエル・フレンケル、ザハヴァ・ソロモン、ロン・ベンイシャイ、ドロル・ハラジ

イスラエル軍の兵士として、レバノン内乱に参加し、その時の体験から悪夢にうなされると友人に相談された監督は、自身も19歳で一緒に従軍しながら、その当時の記憶がないことに気づかされる。

唯一記憶に残るシーンを手掛かりに、かつての友人や、同じように戦闘を体験した人々に話を聞き、失われた記憶を取り戻そうとするのだが....ってな、アニメーションを使ったドキュメンタリー映画!?

自らの心が封印してしまった20数年前の出来事、その真実の持つ意味は....ってね。

記憶しておくに耐えられない出来事、忘れたくても忘れられない記憶、戦争という出来事がもたらす悲しい現実を、この作品は伝えようとしてるんかな。

“ヘタうま”なアニメーションは、出だしでは少し気になったんやけど、観てるうちに逆に味わい深く感じてくるんよね。

アニメーションを使うことで、人々が語る戦争の話が、何か非現実的なものに感じられるんやけど、それと現実がリンクした時に、歴史の事実としての現実が、より重く伝わってくるってところが、見事な演出やった。

あと、話の内容と裏腹に、要所要所でクラシックの穏やかな調べを流し、狂気を演出するあたりが、なかなかのセンスやったしね!?

映画を観てる最中に感動するとか、感情を揺さぶられるというよりは、終わった時の余韻のなかで、人の命の重みについて考えさせられる作品やったかな。

殺しあう理由が特にあるわけでもなく、ただ銃を向けて人の命を奪う、戦争ってのは、なんて愚かなもんなんやろなぁ...?!

この作品を観る前に、「レバノン内乱」について、少し予備知識を入れておくと、より理解しやすいかもね!?

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