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2011年1月13日 (木)

『父の祈りを』

年が明けて最初の新聞に、ひとつの訃報が掲載されてるのを見つけたんよね。それほど大きな記事やなかったんで、あまり知られてないんかもしれんけど、大好きやったその役者さんの功績をたたえて、今日は彼の代表作のひとつを紹介したいと思う。

その役者の名前は、ピート・ポスルスウェイトって言うんやけど、この発音するのも少し難しい名前でピンとくる人は、果たしてどれほどいるんやろか?!

最近の作品では、『インセプション』に出てたんやけどね。以前紹介した『あの日の指輪を待つきみへ』でもいいワンポイントになってたし、『ユージュアル・サスペクツ』の謎の男“コバヤシ”って言うと少しは分かるんかな。あとは、ユアン・マクレガーと共演した『ブラス!』とかね。

その特徴のある風貌のせいか、脇にいても存在感があって、かつ舞台出身の俳優さんだけに、抜群の演技力で好きな役者やったんよなぁ。

まだまだスクリーンで観たかったんやけど、残念ながらガンには勝てなかったらしい。そんな彼の冥福を祈りながら、少しでも映画を愛するひとたちの記憶に残ればという願いを込めて......ね!?

父の祈りを / In The Name Of The Father   ★★★★   (1993年)

監督:ジム・シェリダン

出演:ダニエル・デイ=ルイス、ピート・ポスルスウェイト、エマ・トンプソン、ジョン・リンチ、コリン・レッドグレーヴ、ジェラルド・マクソーリー、マーク・シェパード、ビーティ・エドニー、ドン・ベイカー

70年代半ばのロンドンで起こったパブ爆破事件、たまたま同じ日にロンドンに居たアイルランド人の男とその友人は、テロの嫌疑を掛けられ、過酷な取り調べを受け、やってもいない罪の自白を強要され.....ってな、実際にあった事件を題材にしたドラマ。

頻発するIRAによるテロ工作と、それに業を煮やしたイギリス政府、そして国民感情によって無実でありながら罪をきせられた息子と、なぜか共犯にさせられてしまった父親の長く辛い戦いの日々を描いてるんやねぇ。

この作品のすごさっていうと、まず、ダニエルくんの演技のうまさやろなぁ。どうしようもないコソ泥から怒りと悲しみを堪える男まで、見事な演技で主人公の苦難の日々を体現してるんよね。その目力には、思わず吸い込まれてまうほどの説得力があるんよなぁ。

そんでもって、その脇にいる父親役のピートおじさんが、これまた味わい深いんよ。息子のせいで同じように監獄に入れられながら、それでも息子を信じ、励まそうとする、その言葉のひとつひとつに込められた感情が伝わってくるやんね。その頑固な風貌のなかにある熱い気持ちってのが、なんや胸にくるんよなぁ。

そんな二人の役者によって描かれる父と息子の関係が、物語に力を与えるんやね。国家の体面のために長く服役し、絶望のなかにありながらも、真実を盾に、信じ続けた親子の物語は、しみじみと心に響くってか!?

何度観ても拳を固めて熱くなる、そんな作品やね!(笑)

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