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2011年2月 1日 (火)

『銀色の雨』

日本人の作家で誰が好きかって聞かれたら、真っ先に名前が出てくるのが“浅田次郎”なんよね。

ユーモアあふれる話に、ホロリとくる感動が込められてて、その生き生きした文章を読んでると、時間を忘れてまうくらい夢中になってまうんよなぁ。

そんな“浅田作品”は、これまでも色々と映画化されてるんやけど、残念ながら成功した作品って少ないんよ。その人情や愛情といった深い世界を、完全に映像化するというのは、難しいんかもね。

そうは言いつつ、映画化されると聞けば、やっぱり気になるのがファンの心情というわけで、今日の作品はそんな浅田先生の短編小説の中に入ってた話。

個人的に受け入れがたい“歌舞伎役者”が出演してるという“ハンデ”にもかかわらず、期待してみたんやけどなぁ.......?!(苦笑)

銀色の雨   ☆☆☆☆   (2009年)

監督:鈴井貴之

出演:賀来賢人、前田亜季、中村獅童、濱田マリ、大島優子、富澤たけし、伊達みきお、でんでん、品川 徹、徳井 優、佐々木すみ江

父は幼い頃に他界し、高校生になる頃には母親との関係がうまくいかずに、近所の新聞屋で住み込みでバイトを始めた青年は、些細なできごとからバイト先を飛び出し、米子に住む知り合いのお姉さんの家で世話になることに.....ってなお話?!

しかしなぁ........なんじゃ、こりゃぁぁぁ....?!(苦笑)

原作のストーリーは設定からしてぶっ飛び、登場する人たちのキャラも違えばまるで展開も異なり、まったく原型をとどめてないんよね。

申し訳程度に物語の“キメ台詞”だけを“パクッた”ところで、もうどないしようもないやろ.....?!

だいたいサンドウィッチマンのふたりも、笑えないボケをスクリーンでカマしとらんと、漫才に精進しとけばエエものを.....ねぇ。イタすぎやわ、これ!?(苦笑)

ちなみに原作では、勤労学生がドロップアウトして、ひょんなことから札付きの極道もんと知り合い、戸惑いながらも、その男らしさと繊細さに惹かれていき、男の背負う哀愁を感じつつ、いろいろと人生を学んで成長するってところが、浅田流のキレとユーモアで描かれてるんよね。

そんな原作を完全にぶち壊した挙句に、なお、小説と同じタイトルを付け、“浅田作品の映画化”とは無茶苦茶な..........もう一度本読んで出直してこいって言いたくなってもうたよ!?

原作を知らずに観れば、きっと、ただの“かったるい”映画で済むんやろうけど、原作を知ってると、これは許容の限界を遥かに超えた駄作やわさ。

この作品の中村獅童を、どう“けなすか”って次元の問題やなくなってもうたね。あぁ、アホらし?!

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