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2011年3月 6日 (日)

『英国王のスピーチ』

今年のアカデミー賞は、ほとんどサプライズもなく、順当な結果やったっていう印象やんね。まぁ、残念ながら日本ではまだすべての作品が公開されてないだけに、ホンマに“順当”やったのかは、今の段階では分からんのやけど。

『ソーシャル・ネットワーク』とのマッチレースと言われた作品賞を始めとする主要部門は、今日紹介する『英国王のスピーチ』が受賞となったわけやけど、この2つの作品を比較すると、同じ伝記ものではあるんやけど、役者の演技、構成なんかを見ると、総合的に後者の方が勝ってたかなぁってね?!

そんなこんなで見事に最優秀監督賞まで獲ったフーパーくんは、まだ映画の監督としてのキャリアは浅いんやけど、以前に紹介した『レッド・ダスト』『くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-』を観ても分かるように、役者のよさを上手く引き出し、抑えた演出で人間ドラマを巧みに描く、そんな監督さんなんやと思う。過去の作品の共通点を考えたら、さりげないところでの人物描写が巧みなんかもね?!

というわけで、この作品、果たしてアカデミー賞に値するのかどうか、ぜひ自分の眼で確かめてみておくんなさい♪

英国王のスピーチ / The King's Speech   ★★★★   (2010年)

監督:トム・フーパー

出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、マイケル・ガンボン、デレク・ジャコビ、ジェニファー・イーリー

英国王の次男として公務に励むものの、幼い頃からの吃音症に悩まされ、人前でうまく話せず、辛い日々を送っていた、後の国王ジョージ6世、そんな彼の病気の治療をすることになったオーストラリア人の言語障害の専門家との関係を描いた伝記ドラマ?!

過去のトラウマを引きずり、自分を否定して生きてきた男と、身分の違いに戸惑いながらも、彼を受け止め、何とかその心のなかの問題を解決しようと頑張る男、そんな二人の友情を描いた物語なんやねぇ。

話の流れは、いかにスピーチを上手くできるようにするかっていうシンプルなものなんやけど、それを役者の演技で見事に盛り上げていくんよなぁ。

第2次世界大戦の開戦前夜のイギリスで、王位継承をめぐる王室のドタバタなんかもあって、ちょっと歴史の勉強にもなったりして?!(笑)

それにしても、コリンくんとジェフリーくんの演技は見事やった。不安定な世の中にあって、国民の期待と王室の責任を背負うものの、自分に自信がもてず苦悩する主人公を演じたコリンくんは、国王にならざるをえなかった男の心の葛藤をうまく体現しとったね。

それに対するジェフリーくんの個性、鋭くも優しさに満ちたまなざし、たまらんですなぁ?!そこに奥さん役でヘレナくんが脇で押えて、この3人の配役の妙が作品の価値を決定してるんやろなぁ。

まぁ、当然ながら、控えめな演出でそれを際立たせる監督さんの手腕も大したもんなんやけどね!?

それほどドラマチックな展開があるわけやないんやけど、シンプルな中にイギリス独特のユーモアと、温かさを感じさせる作品は、やっぱり賞賛に値するものなんやろう。お見事!?

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