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2011年7月16日 (土)

『君を想って海をゆく』

今日はフランス映画をひとつ、ご紹介♪

この作品の監督をしてるフィリップ・リオレってひと、なかなか味わい深いドラマを作るところが好きなんよね。お気に入りのサンドリーヌ・ボネールを主演に迎えた『灯台守の恋(L'Equipier)』って作品なんかは、静かな流れのなかに、揺れ動く登場人物の感情を激しく、そして繊細に描いた秀作なんよなぁ。また機会があれば、是非、おススメしたいと思うんやけど。

そんな監督さんの新作は、セザール賞でも主要部門でノミネートされた話題作っていうんで、ちょっと楽しみにしてたんよね。

というわけで、そんな作品の感想は.......?!

君を想って海をゆく / Welcome   ★★★☆☆   (2009年)

監督:フィリップ・リオレ

出演:ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴェルディ、オドレイ・ダナ、デリヤ・エヴェルディ、ティエリ・ゴダール、セリム・アクグル、オリヴィエ・ラブルダン

イラクを出て、フランス北部の街にたどり着いたクルド人の青年は、ロンドンにいる彼女に会うため、トラックでのイギリスへの密入国を試みるが失敗し、ドーバー海峡を泳いで渡る決意をする。行きがかりで、そんな彼に泳ぎを教えることになった水泳教室で指導員をする男だったが.....ってなフレンチ・ドラマ?!

大好きな彼女に何としても会いたいという青年の一途な想いが、最愛の妻と離婚調停中で、無気力に日々を送る男の心を変える、そんな人間模様を描きつつ、フランス社会が抱える不法移民の問題を問いかけるんやね。

どちらかというと地味目の話ではあるんやけど、人権を無視され、行き場なく路上に迷う人々の苦しみ、排他的になりつつある社会の在り方への疑問や、一方で人と人をつなぐ“絆”の強さのようなものを感じさせてくれる、なかなか考えさせる話やったかな?!

原題の“ウェルカム”に込められたアイロニーが、観終わった後にずしりと胸に残るんよなぁ。響きのいい邦題ではあるんやけど、話のテーマを考えれば、やっぱり原題のニュアンスを出して欲しかったね。

大きな感動を呼ぶというような類の作品やないんやけど、フランス映画らしい味わいのあるドラマはなかなかのデキやと思う!?

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