『木洩れ日の家』
別に敬老の日がどうのってことやないんやけど、昨日に引き続き、今日もおばぁちゃんが主役の映画をひとつ、ご紹介♪
この作品、ポーランドでは主演女優のおばぁちゃんを始め、作品としてもかなり評価されたみたいで、マイナーではあるんやけど、他の国の映画祭でも観客賞を受賞したりして、認められたらしいんよ。
主人公が高齢になると、さすがにアクション性やスリルはないんやけど、その代わりに、ちょっと薀蓄があったり、言葉に重みがあったりで、また別の楽しみがあるように思う。
まぁ、それを期待して、ただただ間延びしてもうて、どうしようもなく退屈っていうこともあるんで、一概には言えんのやけど(笑)
というわけで、ポーランドのおばぁちゃんが活躍する(?)作品の感想は.......?!
木洩れ日の家 / Pora Umierac ★★★★☆ (2007年)
監督:ドロタ・ケンジェジャフスカ
出演:ダヌタ・シャフラルスカ、クシシュトフ・グロビシュ、パトリツィヤ・シェフチク、カミル・ビタウ、ロベルト・トマシェフスキ、ヴィトルト・カチャノフスキ、アグニェシュカ・ポトシャドリク
木々に囲まれた古い屋敷で愛犬と一緒に暮らす老女は、テラスから隣家を“観察”するのが日課だった。ある日、そんな彼女の屋敷を売って欲しいという者が現れ.....ってなポーランド映画?!
主人公が90歳を越えたおばぁちゃんで、すべて白黒の映像で撮られた東ヨーロッパ映画っていうと、なんや気難しくて退屈そうなイメージなんやけど、これ、なかなか味わい深い作品やった!?
基本的には独り暮らしのおばぁちゃんのボヤキや愛犬との会話で構成されてるんやけど、この主人公がなかなか魅力的なんよね。ちょっと頑固で皮肉やさん、でもどこかユーモアがあって、力強い、そんな姿に気づいたら共感してもうて、見入ってまうんよなぁ。
いろんな思い出の詰まった家、息子ですら自分を理解しようとしない、そんな年寄りの孤独、ちょっとセンチメンタルな感傷とノスタルジーが入り混じりながら、皺くちゃの顔には厳しい時代を生き抜いてきたタフさがにじみでてて、静かな映像の中に、不思議と熱いものを感じるんよね。
決してお金には換えられないもの、大切なモノを守り続ける心が、人生の深みをそっと教えてくれる、そんな作品なんかもなぁ!?