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2012年5月12日 (土)

『別離』

今日は、劇場公開中の作品の中から、イランの映画をひとつ、ご紹介♪

イラン映画というと、ちょっとマニアックな感じがするかもしれんけど、この作品、実は今年のアカデミー賞の外国語映画賞を受賞したんよね。しかも、それに加えてベルリン映画祭では、作品賞に当たる金熊賞とすべてのキャストに対して、主演女優賞と主演男優賞に当たる銀熊賞が与えられるっていう快挙を成し遂げたらしい。

普段は、ちょっとイラン映画には尻込みしがちではあるんやけど、この監督さん、前作の『彼女が消えた浜辺』でも、これまでのイラン映画にはないテイストで、見事な作品を作り上げてて、個人的にも興味深々やったってわけ。ちなみに、この作品で娘役をやってる子は、監督さんの実の娘らしい。

というわけで、そんな作品の感想は......?!

別離 / Jodaeiye Nader Az Simin   ★★★★   (2011年)

監督:アスガー・ファルハディ

出演:レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、サレー・バヤト、サリナ・ファルハディ、ババク・カリミ、メリッラ・ザレイ

娘の将来のために家族で海外に移住しようと計画する妻、アルツハイマーの父を置いては行けないと反対する夫。離婚の申請が認められるまで、実家に戻ることになった妻の代わりに、夫は父の介護のため、家政婦を雇うのだが.....ってなドラマ?!

生活環境や介護、宗教や経済情勢、一組の夫婦が直面するある事件を描きながら、現代のイラン社会の問題を切り取るってとこなんかな。

いやね、正直に言うと、前半の流れは典型的な“退屈”なイラン映画で、参ったなぁって思ってたんやけど、途中から繰り広げられる騒動の中での人間描写ってのが、かなり秀逸で、眠気が吹っ飛んでもうたんよね。

事件の加害者と被害者がそれぞれ抱える問題を浮き彫りにしながら、その中でそれぞれの登場人物が苦悩する様を映しつつ、ちょっとサスペンスの要素を盛り込みながら、丁寧かつ繊細に語っていくんよ。

タイトルからも分かるように、ちょっとビターな結末に向かっていくわけやけど、その過程の描きっぷりには、思わず観ててのめり込んでまうし、夢中にさせられるものがあるんよなぁ。

それは、きっとその内容が遠い中東の国で起こった出来事というよりも、身近に起こりうる出来事として、観てる者に訴えるものがあるからなんやろね。いやぁ、なかなか味わい深いドラマやった!?

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