『至宝』
今日は、劇場未公開の作品の中から、イタリア映画をひとつ、ご紹介♪
この映画、東京と大阪でやってた今年のイタリア映画祭では上映されたらしいんやけど、本国イタリアでは賞を獲ったりして、なかなか評判になったらしいんよね。
監督さんは、以前に紹介した『湖のほとりで』のひとで、主演のトニ・セルヴィッロは、その作品でも主役の刑事役で出演してたっけ。この監督さんの作風としては、ラテン系の陽気なイタリア映画というよりも、緻密にドラマを組み立て、人間関係を描いていくってとこかな。
ちなみに、このドラマは、あの中田英寿が所属してたことでもお馴染みの、セリエAのパルマの親会社のパルマラットによる不正会計事件がネタになってるらしい。
ということで、そんな作品の感想は.......?!
至宝 / Il Gioiellino ★★★☆☆ (2011年)
監督:アンドレア・モライヨーリ
出演:トニ・セルヴィッロ、レモ・ジローネ、セーラ・フェルバーバウム
乳製品を中心に、手広くビジネスを展開するイタリアの大手食品会社では、厳しい資金繰りのなか、会社を存続させるため、不正な会計処理をすることに.......ってな、実際にイタリアで起こった経済事件を題材に、大企業がなぜ犯罪に手を染めることになったのかを描いた作品?!
ファミリー・ビジネスを大きくしたワンマン社長と、彼の右腕としてCFO(財務担当役員)を務める男を中心に、放漫経営のツケと不用意なグローバル化によって、窮地に陥っていく会社の状況を描いてるんよね。
会社を存続させるために資金が必要となり、銀行と丁々発止の交渉をしたりといった、なかなかリアルな経済ドラマと、登場人物の感情を絡めた人間ドラマも加えたような、そんな作品やった。
ちょっと地味目のテーマだけに、興味がないと面白味もないんかもしれんけど、じっくりと描かれたドラマは、飽きさせない内容ではあったんと違うかな。
「帳簿の改ざんって悪いことじゃないでしょ」って、さりげなく言い切ってまうあたりが、なんや“とってもイタリアやなぁ......”なんて思ったりしてね!?(笑)
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