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2013年1月 1日 (火)

『アンテナ』

2013年の最初を飾る作品は、ちょっとお気に入りの邦画をひとつ、ご紹介♪

この映画、新年のめでたい(?)日に紹介するような、そんな内容やないんやけど、最近では極道ものからコメディまで、幅広く活躍する俳優、加瀬 亮の演技力を語りたくて、ちょっと取り上げたんよ。まぁ、『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』での役柄が、彼に合ってたのかどうかは議論の余地はあると思うんやけど。

実は、この作品が彼の初主演映画やったらしいんやけど、その演技には経験の浅さを感じさせない凄みがあって、一見するとナイーブな若者でありながら、その内に秘めた感情が溢れ出す様を見て、ちょっと衝撃を受けてもうて、それ以来、ずっと注目してたんよなぁ。

まぁ、そんな演技を引き出す監督 熊切和嘉ってのもポイントではあったんやろうけど、それでも、その時に感じた役者としてのポテンシャル、可能性ってのは、『それでもボクはやってない』『オリヲン座からの招待状』『重力ピエロ』やガス・ヴァン・サント監督の『永遠の僕たち』なんかを見てると、間違ってなかったんかなぁって思う。

というわけで、そんな加瀬くんの初主演映画の感想は........?!

アンテナ   ★★★★   (2003年)

監督:熊切和嘉

出演:加瀬 亮、小林明美、浅丘めぐみ、宇崎竜童、小市慢太郎、寺島 進、大森 博

幼少期に自分の隣で寝ていた妹が失踪し、それ以来、行方不明となった過去をもつ青年。そんな彼を母親は責めたて、やがて宗教にのめりこんでいく。父親も亡くなり、あるニュースをきっかけに、弟も精神的に不安定となり.......ってな、ある過去の事件を契機に壊れてしまった家族の物語?!

いやぁ......まいった。これ、映像的にも内容的にも、かなり痛い作品やった。事件により味わった苦痛に悩まされ続けながらも、何とか生きてきた青年が、壊れていく母親や弟に何もしてあげることができず、やがて自分を肉体的に傷つけながらも、過去と向かい合うことから逃げる、そんな姿を描いてるんよね。

何といっても、主役の加瀬くんの演技が圧巻やった。心の内の悲しみや苦しみを、すべてさらけだすような、その渾身の演技に、完全に圧倒されてもうた。

なぜSMかというところが少し引っかかるところではあるんやけど、孤独な青年の心の叫びがひしひしと痛いほど伝わるあたり、もう見事としか言えんよなぁ。

これだけ観終わってズシリと胸にくるってのは、まさに演技の勝利やね!?

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