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2013年3月30日 (土)

『偽りなき者』

今日は、劇場で公開中の作品の中から、ズシリと重いドラマをひとつ、ご紹介♪

トマス・ヴィンターベア監督は、あのラース・フォン・トリアー監督のお友だちで、北欧の監督さんたちの個性なのか、作風も同じように重くてヘヴィーなものが多いんような気がする。以前に紹介した『光のほうへ』っていう作品もそうやったんやけど、悲しみを背負った主人公の葛藤を描くようなイメージが強いかな。

そんな監督さんに主役として指名されたマッツ・ミケルセンは、この作品でカンヌ映画祭の男優賞を受賞したんやって。マッツくんと言えば、ちょっと前に取り上げた『ドライヴ』『ヴァルハラ・ライジング』のニコラス・ウィンディング・レフン監督や『アフター・ウェディング』のスザンネ・ビア監督との作品で有名やけど、きっと才能のある監督といい仕事をしてることが、彼の役者としての価値を高めてるんやろうって思うんよね。

というわけで、そんな作品の感想は..........?!

偽りなき者 / Jagten   ★★★★☆   (2012年)

監督:トマス・ヴィンターベア

出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、アニカ・ヴィタコプ、ラセ・フォーゲルストラム、ラース・ランゼ、スーセ・ウォルド、アレクサンドラ・ラパポルト

勤めていた学校が閉校となり、幼稚園で働くことになった男は、別れた妻と暮す息子が、自分と同居することになり、喜んでいたが、そんな時に、園児のひとりが付いた嘘により、性犯罪者の嫌疑をかけられ......ってな、ちょっとシリアスな社会派ドラマ?!

子供好きの心優しい男が、身に覚えのない罪に問われ、やがて社会から迫害され、追い詰められる、そんな様子を描いてるんよね。

この作品、何といっても理不尽な状況の中で、必死に耐えながら静かに抵抗する主人公を演じるマッツくんの存在感が抜群やった。抑えた演技のなかで、やり場のない怒りと苦悩を抱えた男を体現するところが、なんとも見事なんよ。

主人公の立場から観てると、強い憤りを感じるドラマなんやけど、一方で子供を持つ親の立場や、周囲のリアクションにも理解できる部分もあり、そんな絶妙のバランスで構築された話やからこそ、これが何か特異なシチュエーションを描いてるわけやなく、どこかリアリティのある話として、より考えさせられるんかもね?!

テーマがテーマだけに、ちょっと重たいドラマではあるんやけど、小さな嘘から人生を狂わされる、そんな男の刹那を描くドラマは、ヨーロッパ映画らしい、静かな緊迫感と深みがあって、見ごたえ十分やったかな?!

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