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2013年4月14日 (日)

『君と歩く世界』

今日は、劇場で公開中の作品の中から、フランス映画をひとつ、ご紹介♪

「ジャック・オーディアールが......」なんて言っても、「誰や、それ?」ってツッコミが入るのかもしれんけど、このフランス人の監督さん、個人的にとっても好きなんよ。

ちょっと前にカンヌ映画祭で審査員特別グランプリを受賞した作品ってことで『預言者』ってのを紹介して絶賛したんやけど、その前のロマン・デュリスが主演の『真夜中のピアニスト』ってのも、なかなか秀逸なドラマなんよね!?

フランス人らしく、繊細な心理描写を得意とし、それに加えて独特の洗練された雰囲気のなかで、刹那や悲哀を表現してくるあたり、たまらんなぁって思ったりして。

というわけで、そんな監督さんの新作のデキは..........?!

君と歩く世界 / De Rouille Et D'os   ★★★☆☆   (2012年)

監督:ジャック・オーディアール

出演:マリオン・コティヤール、マティアス・スーナールツ、アルマン・ヴェルデュール、セリーヌ・サレット、コリンヌ・マシェロ、ジャン=ミシェル・コレイア

妻と別れて5歳の息子を連れて放浪した末に姉の家に辿りついた男は、ナイトクラブで働いていた時に、水族館でシャチの調教師をする女性と知り合う。その後、ショーの最中の事故で両足を失った彼女に呼び出され、ふたりは再会するのだが.......ってなドラマ?!

なんかね、この作品って、マリオン・コティヤールにスポットを当てすぎて、脚を失った女性が苦しみを乗り越えて生きる感動のドラマって感じの売り方してるけど、ちょっと違うんよなぁ(苦笑)

ここで描かれてるのは、上手くいかない人生の中で、もがいてる男と女がいて、そんなふたりが知り合い、互いに影響を与えながら生きて行く様子なんやと思う。そこには派手な感動はないし、涙を誘う演出もなく、どこかやるせなく、辛い日々を静かに映し出してるんよね。

何か心揺さぶられるものを期待してこの作品を観ると、きっと肩すかしをくらってもうて、評価も下がるんかもしれんけど、人生の目的を見失ったときに、何気ない瞬間に生きてることを実感し、失敗や過ちを繰り返しながらも、それでも前に向かって生きて行く、そんな刹那な日常を切り取った作品は、やっぱりオーディアール監督らしさの光る語り口で、個人的には良かったなぁ。

まぁ、そもそも原題を無視して、こんな邦題を付けてる時点で、売り方が間違ってるような気はするんやけど......?!(苦笑)

ところで、この作品、何気に音楽の使い方がよくて、さりげなく耳に残る曲ってのがあったりして、ちょっとサントラが欲しくなってもうた♪

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