『21グラム』
先日、発表された今年のアカデミー賞で、見事に監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥくんの作品をひとつ、今日はご紹介♪
この監督さん、メキシコの出身で、もともとはラジオのDJやったらしい。そこから映画音楽をやったりしつつ、初めて監督した作品『アモーレス・ぺレス』がカンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリを受賞したり、アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされて注目され、ハリウッドに進出して撮った2作目の作品がこれなんよ。
この作品でのアカデミー賞はなかったんやけど、ナオミ・ワッツが主演女優賞に、ベニチオ・デル・トロが助演男優賞にノミネートされ、ショーン・ペンはヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞したんよなぁ。
今回のアカデミー賞受賞で、映画界の頂点に登りつめた監督さんの新作の公開を心待ちにしながら、その代表作の感想は......................?!
21グラム / 21Grams ★★★★☆ (2003年)
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲンズブール、クレア・デュヴァル、ダニー・ヒューストン、メリッサ・レオ、デニス・オヘア、エディ・マーサン、ポール・カルデロン
事故で夫と娘を失った女、そんな彼女の夫の心臓を移植された男、そして事故を起こした加害者の男、ひとつの事件をきっかけに絡みあう3人の関係を描いたドラマ?!
家族を失い、生きる支えを失った女と、新しい心臓で死の淵から生き返った男、そんでもって神への信仰心を失った男..............そんな彼らが辿りつく先は、行き場のない苦悩の明日なんよなぁ。
時系列を無視して、つながれた映像は、出だしでスンナリと話しが入ってこないだけに、少し戸惑ってまうんやけど、一方でそれによって登場人物それぞれの個性をより印象付ける感じやったね。
ハンディ・カメラで役者の表情を追いかける映像は、どこか冷たさがあって、ザラザラした印象で、さりげなく物語の底にある深い切なさを写し出してるんよ。でもって、カメラの前で演じる主演の3人の迫真の演技は、なかなかの見応えやった。
人が死ぬときの魂の重さ“21g”と引換えに得るものは.........そんな、どこか哲学的な人生ドラマを個性的な映像で表現してみせる監督さんの手腕は、見事なものやったね!?
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