『最後の命』
今日は邦画をひとつ、ご紹介♪
柳楽優弥って、最近、抜群に演技がよくなったなぁって思うんよ。是枝監督の『誰も知らない』でスクリーンデビューして、カンヌ映画祭で史上最年少で男優賞を受賞して、その後は少し低迷してたやんね。
周囲が彼を見たときの、その秘めたポテンシャルと、彼自身の演技にギャップがあって、そこに苦しんでるように思ってたんやけど、『ゆるせない、逢いたい』あたりの演技から、スクリーンを通して見ていて、演技に迷いがなくなってきたみたいで、ホンマにエエ役者になってきたって思うんよ。
今、話のおもんなさに文句を言いながら、NHKの朝ドラを惰性で観てるんやけど、そんなダメダメなドラマの中でも、柳楽くんは、スパイスの利いたエエ演技をしてるしね。
というわけで、そんな彼が主演の作品の感想は...........................?!
最後の命 ★★★★☆ (2014年)
監督:松本准平
出演:柳楽優弥、矢野聖人、比留川 游、土師野隆之介、板垣李光人、内田 慈、滝藤賢一、中嶋しゅう、池端レイナ、りりぃ
子どもの頃に遭遇したある出来事をずっと引きずって生きてきた男は、幼なじみの親友と久しぶりに再会するが、その次の日に、外出先から部屋に戻ると、寝室のベッドの上に顔なじみのデリヘル嬢の絞殺死体があり、警察からは親友が実は連続婦女暴行犯で指名手配中であると告げられるのだが...............ってなドラマ?!
ひとつの事件をキッカケに、消し去ることのできない“心の傷”を背負って生きてきたふたりの男の苦悩と、断ち切ることのできない運命を描くってとこなんかな。
いやぁ、もう柳楽くんの演技に見入ってもうて、その繊細でかつ力強いタッチで、複雑な感情を抱える主人公を熱演する姿に、どっぷりとハマってもうたよ。
ひとつの出来事を“起点”として、別々の人生を歩むふたつの命から、単純な善と悪というものやなくて、反発しながらも決して離すことのできない、“ある趣の絆”ってのが鮮烈に描かれてるやろうと思う。
前作『まだ、人間』ではサッパリ響いてこなかった監督さんの演出も、この作品ではエエ感じにハマってたんと違うかな。
心の“痛み”を映像で表現するのは簡単ではないんやけど、役者の本能とそれを引き出す演出で、いい具合に化学反応が起こったってことなんかもね?!
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