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2015年12月13日 (日)

『博士の異常な愛情』

今日は、“奇才”と呼ぶにふさわしいスタンリー・キューブリックの代表作をひとつ、ご紹介♪

キューブリックって監督さんは、50年代に監督デビューしてから99年のトム・クルーズ主演の『アイズ ワイド シャット』までの約45年のキャリアのなかで、実は長編映画は13本しか作ってないんよね。

しかし、その13本のうち4作品でアカデミー賞の監督賞にノミネートされ、3作品で作品賞にノミネートされたものの、結局、主要部門では受賞には至らなかったんよなぁ。

この作品も、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞でノミネートされたものの、ことごとくオードリー・ヘプバーンの『マイ・フェア・レディ』に賞をさらわれてもうたってところは、なんともツキがなかったんやろね。

というわけで、キューブリック作品のなかでも評価の高い作品の感想は.................?!

博士の異常な愛情 / Dr. Strangelove : Or How I Learned To Stop Worrying And Love The Bomb   ★★★☆☆   (1964年)

監督:スタンリー・キューブリック
出演:ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、キーナン・ウィン、スターリング・ヘイドン、スリム・ピケンズ、ジェームズ・アール・ジョーンズ、トレイシー・リード、ポール・タマリン、ジャック・クレリー、ピーター・ブル

アメリカ軍のひとりの司令官がソ連の基地への空爆を指令する。上官の狂気を知ったイギリス人大佐は説得を試み、大統領は事態を収拾しようとソ連側とコンタクトを取るのだが..............ってな、核戦争の脅威をテーマにしたブラック・コメディ?!

たったひとりの男の意思により、世界が終末へと向かおうとする、そんな危機的状況のなかで行われるやり取りを、どこかシュールな視点で切り取ったドラマなんよ。

事態の深刻さとは裏腹に、どこか緊迫感の欠ける政治家や軍の上層部のリアクション、そんな様子を見つめるカメラが語るものは、なかなか興味深いものがあるんよね。

核の傘のもとに均衡が保たれてる“平和”というものが、いかに脆弱で危ういものかってのを痛烈に皮肉ってるところは、この作品が作られた60年代半ばという時代を考えると、なかなかの男気なんと違うかな。

無数の核弾頭に曝されながらも、何も起こらないという前提を信じ込んで平和だと言ってる人たちをシニカルに笑い飛ばすキューブリックの視点ってのは、やっぱりスゴイと思うんよね!?

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