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2017年12月31日 (日)

『人生タクシー』

今年の最後を締めくくる作品は、ちょっと意外なところでイラン映画をひとつ、ご紹介♪

この作品、ベルリン国際映画祭で監督賞にあたる金熊賞を受賞して、フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞でも外国語映画賞にノミネートされたりしたらしいんよ。

実は、監督のジャファル・パナヒくんは、2006年に『オフサイド・ガールズ』って作品を発表してるんやけど、ワールドカップ予選を戦う自国のチームの試合を観戦したいっていう女の子たちを描いてて、法律で女性のサッカー観戦が禁止されてるなか、そんな作品を出したことを快く思わないイラン政府から、20年間、映画を作ってはいけないっていう命令を受けたらしいんよ。

撮るなって言われても、じっとはしてられない、そんな反骨の監督さんは、いろいろ工夫しながら“作品”を作ってるんやけど、この作品も結局は政府から上映許可はおりず、いろいろな支援者の力を借りて、国外で発表されたんやって。

というわけで、そんな監督さんの現状を映しつつ、映画愛を感じる作品の感想は..................?!

人生タクシー / Taxi   ★★★★☆   (2015年)

監督:ジャファル・パナヒ
出演:ジャファル・パナヒ

映画監督をしていた男は、乗り合いタクシーの運転手をしながら、客とのコミュニケーションを映像として記録し、“作品”を作ろうとするのだが..............ってなドキュメンタリー調のドラマ?!

泥棒は死刑に値するか、客同士でハゲしく議論をしたり、規制をかいくぐって海賊版のDVDを売り歩く男、金魚を抱えて目的の場所を急いでいる老婆たち、交通事故で重傷を負った夫を病院に連れていく妻、そんな様々な“乗客”との交流から、イランで暮らす人々の日常を切り取りつつ、その背景をさりげなく語ってるんよ。

“乗客”のひとりとして登場する、監督さんの姪っ子の、子供の視点からの鋭いコメントが、なかなか痛快で、微笑ましかったね。

なぜ、監督さんがこういう形で作品を作らなければならないか、そんな事情を知ったとき、表現の自由の大切さってのを、しみじみと感じてもうたなぁ................?!

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