『スリー・ビルボード』
今年もいよいよアカデミー賞のノミネート作品が発表され、気分が盛り上がってきた(?)ところで、候補作が上映開始ってことで、さっそく鑑賞してきたものを、ちょいとご紹介♪
この作品、ヴェネチア映画祭で脚本賞を受賞したのをはじめ、いろんな映画祭で評価され、ゴールデン・グローブでは、ドラマ部門で作品賞、女優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞し、そしてアカデミー賞では、作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞などにノミネートされてるんよ。
監督のマーティン・マクドナーってひとは、ロンドン生まれのイギリス人で、実は『ヒットマンズ・レクイエム』って作品で、すでに一度、アカデミー賞の脚本賞にノミネートされてて、英国アカデミー賞の脚本賞を受賞してるんよなぁ。
でもって、ウディ・ハレルソンやサム・ロックウェル、アビー・コーニッシュあたりは、以前に『セブン・サイコパス』っていう監督さんの作品で共演してて、この作品で再結集ってとこなんかな。
というわけで、そんな作品の感想は.......................?!
スリー・ビルボード / Three Billboards Outside Ebbing, Missouri ★★★☆☆ (2017年)
監督:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル、アビー・コーニッシュ、ジョン・ホークス、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ケリー・コンドン、ルーカス・ヘッジズ、ダレル・ブリット=ギブソン、ジェリコ・イヴァネク、キャスリン・ニュートン、クラーク・ピータース、ピーター・ディンクレイジ
何者かによって娘を殺された母親は、まったく進展しない警察の捜査に業を煮やし、娘の殺害現場にある広告板を借り、そこに警察署長へのメッセージを貼り出したが、それによって小さな町のなかで波紋がおき..................ってなドラマ?!
自分に批判的なひとには、相手が警察だろうと容赦なく対抗し、強い意志で犯人逮捕を促す彼女の心にも、実は拭いきれない傷があり...............ってなことで、関係する人々を通して、アメリカ社会が抱える問題を描くってとこなんかな。
主人公である母親が善なのかというと、決してそうではなく、人種差別主義者の警官が悪なのかというと、必ずしもそうではない、そんなちょっと複雑な登場人物を使って、人々のなかにある様々な偏見や差別といったものを映し出そうとしてるんやろね。
フランシスおばちゃんに、ウディくん、それにサムくんといった演技のできる役者を軸に据えて織りなす人間ドラマは、なかなか深みがあってエエんやけど、アメリカ社会を肌身で感じてる立場ではないからなのか、ストレートに伝わるかっていうと、少し難しかったかも。
ひとつの行動がもたらす人々の“心の揺れ”、それは“さざ波”となって波紋が広がっていく、そんな繊細な描写は、ジワジワと後から響いてくるのかもしれんなぁ?!
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